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絶滅危機【ガラスの花サンカヨウ】鳥取シカ「それよく食べるけー」←あかんやん!

ジビエ部課長代理のひぐちです。
オーガニックって言うけど〜鳥取のシカはなにを食べてるの?シリーズをお送りします。
鳥取のシカはなにを食べてるの?
シカが何を食べてるかで、つい思いつくのは修学旅行のしおり。
シカは修学旅行のしおりみたいなのをいつも食べるわけではなーーい。
鳥取のシカのいるところは、修学旅行地のような市街地じゃないです。
鳥取のシカが住むのは、氷ノ山とそこに続く山々です。恵まれた自然の中で、植物を食べ育っていきます。
変なものとか食べてませんよ。
シカは基本植物ならなんでも食べる
確かに修学旅行のしおりの紙も木からできているから植物ですが、シカは基本は自然のものを食べます。
いつもはドングリのような木の実が主食。
シカはドングリが不作だと、それ以外の植物を食べます。
イネやダイコンの葉などの農作物や木の皮、そして希少な植物も食べてしまいます。
参考 鳥取鳥獣被害が3割減 ドングリ豊作 ジビエ利用も増
そこで、食害にあったのがガラスの花と呼ばれる「サンカヨウ」なのです。
(写真)サンカヨウ
雨にぬれるとガラス細工のように透明になるサンカヨウ
サンカヨウとは
サンカヨウは毎年5月ごろになると白い花を咲かせます。
雨にぬれるとガラスのような透明な花になるのです。
藍色のベリー系の甘い美を作り、食べる事もできます。
県内では大山、氷ノ山など500m以上の山に点在しています。
この氷ノ山でのシカの食害が著しく、純絶滅危惧種として鳥取県のレッドデータブックに掲載されました。
参照:鳥取県レッドデータブック サンカヨウのページ
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/704255/13-7.pdf
こういった食害が著しいことから、氷ノ山国定公園シカ食害防止対策事業として、柵のとシカのくくり罠を設置、侵入を阻止したことで、その後サンカヨウは回復傾向にあります。
参照:平成28年度予算 氷ノ山国定公園シカ食害防止対策事業
そう、以前お伝えした 鳥取のシカ、○○を食べて出禁になる。氷ノ山・シカのふるさとの○○とは「サンカヨウ」のことなのです!
鳥取のシカはいいもの食べてるけど…
エサにハーブを与えた「ハーブ鶏」は聞いたことがあるのですが、
ベリー系の美しい植物を食べた「サンカヨウ鹿」って美味しそうだし、間違いなくオーガニック食ですが…。
エサとして植物が絶滅しては何の意味もありません。
また智頭町の県境付近の那岐山では2015年ごろイワウチワ(鳥取県・準絶滅危惧)がシカの食害をうけ壊滅に近い状態になったこともありました。

(写真)イワウチワ
こうした希少植物を守るための対策としてシカが捕獲されます。
まとめ
・鳥取のシカはどんぐりが主食。
・どんぐりが少ないと、農作物と希少な高山植物を食べる。
・希少植物を守るための対策としてシカが捕獲され食用に。
・よって自然のものを食べてます!商品一覧はこちら
ではなぜ、大きな被害をもたらすほど、鳥取のシカは増えてしまったのでしょうか?
それはまたのお話で。
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